昭和の悪童 〜西村悠一 木彫人形作品集〜
西村悠一著
B5変型判(203×182mm)・71Pオールカラー 1300円(税別) 2017年7月発行
木彫人形で描く、悪童たちの黄金の日々。懐かしの昭和20年代。
子供が最も子供らしく、力いっぱい元気に遊んだ昭和20年代。戦後の貧しさの中で食べ物に不足することはあっても、遊びや悪戯は現在とはスケールが違い、破天荒ですらありました。そうした少年たちの躍動を、精巧な木彫人形で表現しています。動作や表情がユーモラスで、躍動感に富んでおり、今にも動き出しそうです。
●目次
1.食べ物
2.小学校
3.悪戯
4.運動
5.遊び
6.手伝い
7.初恋
8.家
<巻末解説>悩める悪童 漂流記
混沌とした時代の子供たち/ガキ大将の教え/小学校のマドンナの一言/悪戯ざんまい/彫り手の心の動きが現れる木彫人形
●掲載作品
ニラ焼餅、麦飯のおにぎり、小学校入学、立たされて読む教科書、音痴直し、廊下バケツ、居残り掃除、引出しに青大将、蛙の面にションベン、ケンカ、逆立ち、逆上がり、三角ベース(野球)、草相撲、下駄スケート、魚とり、竹馬、凧揚げ、雀打ち(パチンコ)、こま回し、チャンバラ、釘刺し、銀輪小僧、紙芝居、古井戸、五球スーパー(ラジオ)、ハーモニカ、仕置きのケツバット、ケンケンパ、ままごと、薪運び、牛の世話、新聞配り、初恋、洗い張り(仕立て直し)、雪隠(便所)、信州の小春日、夫婦道、懐中仏など。
物語を紡ぐ家づくり
小澤 仁 (株)フォレストコーポレーション 社長
上条正義 信州大学繊維学部感性工学課程 教授 共著
変型判(257×200mm)・119Pオールカラー 1000円(税別) 2013年12月発行
ひと手間かけて感性価値の高い家づくりを!
住宅業界はいま、断熱性や省エネ性などを「数値」で競う傾向にありますが、本当にそれで「よい家」が出来るでしょうか。施主が家づくりの作業や完成後のメンテナンスに参加して、それによって家族の物語を紡ぐことが出来れば、満足度=価値と品質が高まることが「感性工学」の分野からも指摘されています。本書は当該事業に取り組む「工房信州の家」の実例を示しながら、新たな家づくりの形を提案します。
第1章 家づくりに参加する喜び(小澤 仁)
参加することで広がる世界/あなたが選ぶ山の木で家づくり/「ひとてま工房」で思い出づくり/薪ストーブで紡ぐ物語/土間サロンで広がる潤い/メンテナンスで家を育てる/通常工程への参加と共創
第2章 それぞれの家づくりの物語(小澤 仁)
伐採からメンテナンスまですべてが家族のイベントに(中川村)/海外勤務の多かった都会人が選んだ地方都市の“終の棲家”(駒ヶ根市)/選木からタイル貼り・壁塗り、棚やテーブルづくりまでDIY精神全開(伊那市)/伐採や壁塗りの体験で育まれた「自分がつくった」という実感(松本市)/先代が守ってきた暮らしを受け継ぐための家づくり(千曲市)/「古い思い出」と「新しい思い出」を刻み込んだ二世帯住宅(千曲市)
第3章 家づくりに感性の力を(対談 小澤 仁×上條正義)
プロセスの重視が価値と品質を高める/女性社員と職人のコミュニケーション能力が仕事の質を高める/数値による差別化を超える「感性価値」/プロセスそのものが財産に/「家づくり」が進むべき道
第4章 感性工学からみた家づくり(上條正義)
自然との共生で感性を育む/感性に基づく価値/「つたえる、つたわる、つながる」対話支援技術/共創から感性価値が創造される/情報の共有により共感を得る/感性を活性化させる品質/愛着あるモノづくり/感性に基づく家づくり
第5章 つくり手側の物語(座談会 菅沼木材×都築木材×山造り舎×小澤仁)
天然乾燥ストックヤードがもたらしたもの/県産材利用で地場産業を守る/単なるビジネスを越えた共同プロジェクト/エンドユーザーの顔が見える林業に/山と人を近づけて需要を喚起する
健康と省エネを叶える「家の呼吸」
~呼吸が止まった住宅の被害と対策~
日本建築文化を守る会編 A5判・174P 1300円(税別) 2011年11月発行
合板・ビニールが健康を蝕み、家を劣化させる! 全国850名の地場建設業者が、国民の健康と省エネを軽視した国の住宅政策に「異議あり!」
高温多湿な日本の風土においては、合板・ビニールクロス・ビニールシートなどで通気と透湿をさえぎった高気密住宅は人の健康を蝕み、家を劣化させる。健康と省エネを実現するカギは、壁や木材の「通気性」と「透湿性」にある。
しかし、国は国民の健康と財産を軽視し、省エネ問題を歪曲したうえで、合板・ビニールによる高気密住宅を推奨。日本の住宅政策が歪んだ背景には、大手メーカー優遇につながる産学官の癒着が存在する! この40年の変遷を踏まえ、米国・スウェーデンの事情にも照らして、日本建築の過ちを検証。本当の健康・省エネ住宅を提案する。り住宅は窒息シックハウス/疑わしい超高気密の「省エネ」/欠陥だらけの品確法と住宅政策
第2章 合板・ビニールによる高気密が危ない(寺島今朝成)
合板とは/合板の類似品と外材/ビニールクロスとは/防湿気密シートとは
断熱材(吹き付け発泡ウレタン)/断熱材と工法/多湿の中での高気密/家の呼吸と空気環境
第3章 測定データが示す透湿・透過(寺島今朝成)
透湿・透過の通気断熱WB工法/家の呼吸でホルムアルデヒド低減/ホルムアルデヒドは壁を透過する/湿度と透湿・透過/夏の省エネ効果
第4章 産学官が歪める住宅政策(寺島今朝成)
諸悪の根源「品確法」/高気密の責任を転嫁した瑕疵担保制度/建築基準法改正で換気義務化/もたれあう国交省と性能評価機関/特別評価を妨げる学者
大手偏重が日本建築を滅ぼす
第5章 アメリカのカビ問題と日本の対応(スタンレー・ジョンソン)
不可解なほど遅い日本政府の対応/医師にも原因不明な呼吸器系疾患/汚染外気よりも96倍有害な室内の汚染空気/通年の花粉症はカビによる慢性蓄膿症だった/呼吸しない家でカビが増殖/カビを発生させる透過性のない壁/「ビニールクロスは禁物だ」/バラード家の悲劇/急増するカビ関連訴訟と数百万ドルの判決/日本の「不都合な真実」
第6章 高気密の本家スウェーデンの湿気問題(寺島今朝成)
湿気によるシックハウス/ヒートポンプ先進国のプレハブ住宅/不況にあえぐ大手プレハブメーカー/日本向けのスウェーデンハウス/規制強化の中での換気コントロール/省エネに敏感なスウェーデンの施主
日本建築の過ちを正す10カ条
その1 シックハウス/その2 その他の健康対策/その3 カビ・ダニ/その4 生活臭/その5 多湿・結露/その6 家の長期耐久/その7 地震対策/その8 省エネ/その9 在来工法/その10 品確法
日本建築文化を守る会
2007年2月、全国の地場建設業者および資材販売業者850名により発足、代表は株式会社ウッドビルドの寺島今朝成。日本の住宅が歴史と伝統の中で育んできた、木を長持ちさせるための「通気性」と高温多湿の日本で快適に過ごすための「調湿性(透湿性)」を現代の住宅に活かすことで、住む人の健康と財産である建物を守ることを目的に活動する。
http://www.nihonkenchikubunka.jp/
ウッドビルド http://www.wb-koho.com/
信州の木の家へ帰ろう ~工房信州グループの家づくり~
小澤仁編著 B5変型・128P(カラー64P) 1200円(税別) 2009年7月発行
「地域の自然と一体化した木造住宅」は人にも自然環境にも優しいだけでなく、人と自然をつなぎ、真のゆとりをもたらします。地元の木で建てる地産地消型の自然住宅、木の香漂う本格的「木の家」を紹介します。
●もくじ
信州を楽しむ住まいを、信州の木で。/信州の木の家へ帰ろう
第1章 信州の家は信州の木で
住む人にも信州の自然環境にも最良の住宅/環境に負担をかけない無垢材/信州の木を天然乾燥で/県産無垢材ができるまで/鼎談「色艶と強度に優れた天然乾燥へのこだわり」/天然乾燥ストックヤード/自分の山の木で家を建てよう/使いたい信州の木材/「ゆとり」「遠赤外線の暖かさ」「CO2削減」をもたらす薪ストーブの魅力/薪ストーブで料理/薪ストーブのメンテナンス
第2章 自然素材と職人技
珪藻土と漆喰/自然素材でシックハウス解消/検証し続ける姿勢と職人技/体に叩き込まれた技術と知恵(大工 伯耆原 貢さん)/「塗り甲斐」にこだわる3代目(伊藤左官工業所 伊藤健さん)/精巧な手仕事と材の選択眼(建具職人 唐沢木工所 唐沢剛さん)/木曽材・漆とデザイン性に国際的評価(家具 木曽アルテック社 社長 齋藤寛親さん)/和の美しさがあふれる西洋家具(家具 前田木藝工房 前田純一さん・大作さん)/施工品質と施工管理 /9回のお客様立会い検査
第3章 自然型通気ソーラーハウス
自然型通気ソーラーハウス/結露を抑えて人も住まいも健康に/高断熱・高気密の問題点/制約のある土地の活用術
第4章 広がり空間の間取り
心を解放する間取り/手軽に変更できる間取り/屋外とつながる「土間サロン」/現代的な和の庭とは/木の家の照明とインテリア
第5章 お住まい拝見
空気の心地良さ/無垢の木の香り/たくさんのこだわり/趣きのある古民家風の家/分譲地「SEASON南原」/現代版「田の字間取り」/趣味を楽しむ暮らし/木組みの家 伊那展示場/四季 松本展示場/シーズン モデルハウス/工房信州の街づくり シーズン南原/大人のシーズン 長野展示場
第6章 家をつくる前に
家に何を求めどう暮らすか/台所に現れる家族の関係/プレハブ・2×4の問題点/脱「効率優先」の発想を/「大量生産・大量消費」の苦い体験/収納スペースにこだわらないシンプルライフを/住宅業界の「流行」の正体/地域の環境に適した家づくり/家族の笑顔が広がる家を/信州を楽しむ豊かな住まい
棟梁と教授が語る 間違いだらけの住宅造り
A5判 115p 800円(税別) 1999年2月初刷/3月2刷
住宅の気密化による室内汚染・新築病の実態を解き明かし本当の「省エネ健康住宅」を提案
無防備すぎる室内空気対策(入江建久)
「健康な住まい」を真剣に考えよう/気密化による室内空気の悪化/アレルギーと住まいのアレルゲン/空気中の微生物(カビ・細菌)/新築住宅のホルムアルデヒド/室内にあふれる揮発性有機化合物/ハウスダスト(室内のほこり)/空気清浄機の効能と限界/ノースモーキングへの願い
高気密住宅が危ない!(寺島今朝成)
間違いの元/日本建築の奥深さ/家造りは基礎が肝心/日本建築の柔軟な強さ/強制換気システムとは/21世紀の省エネ健康通気断熱/古い家もリフォームで解決可能/住まいの診断・相談室
家造りのイロハと施主の心得(寺島今朝成)
個性ある家造りを/誰に相談するか/職人のこだわり今昔/高い営業経費と張りぼて住宅/建築の手順
棟梁の哲学=技術思想に学ぶ (深谷基弘)
「住み心地の良い家」の設計とは(奥村秀一)
棟梁と教授が語る 続・間違いだらけの住宅造り
A5判・124ページ 2000年10月初刷/2001年12月2刷 定価800円(税別)
寺島今朝成 棟梁(ウッドビルド代表取締役)
須貝 高 福岡大学工学部建築学科(建築環境工学専攻)教授
石田 卓 福岡大学工学部建築学科(建築環境工学専攻)助手
上原裕之 シックハウスを考える会理事長
水川伸行 シックハウスを考える会山口支部長(マイプラン代表取締役)
シックハウス対策は情報と相談の充実から(上原裕之)
パネルディスカッション「シックハウスの解決にむけて」
本当の省エネ健康住宅とは(寺島今朝成)
WB工法は問題解決の必要条件を備えている (山下恭弘/長谷川兼一)
熱環境・湿度環境・空気環境と健康(須貝高/石田卓)
木材の効能と木造住宅の魅力 (水川伸行)
カントリー・ママの花笑み押し花
跡部由美子著 AB判56P 1714円(税別) 2005年12月発行
バラと野の花で立体感と生命感溢れる押し花の新境地を開拓する跡部由美子。「野の花」「ナチュラル」「アレンジ」など分野ごとに近作を計42点、ネイチャープリント、グラスフィオーレを13点。問合せが多いバラの組み立て工程を詳細に解説するほか、ガーデニングの豆知識も掲載。従来の押し花の世界を一新。
●跡部由美子(あとべ・ ゆみこ)
長野県小布施町生まれ。輸入雑貨とアトリエの「カントリー・ママ」主宰。押し花、ネイチャープリント、グラスフィオーレ、うつし染めの各教室を開催。「小布施オープンガーデン」のオーナーとしてイングリッシュガーデンを開放。1999年世界押花絵コンペティション2部門で特別賞受賞、同年TVチャンピオン「全国押し花王選手権」決勝進出、その他押し花コンクールに出展・受賞多数。ふしぎな花倶楽部インストラクター、世界押花芸術協会会員。
月の涙とアルゼンチン ~南米移住 悲喜劇を越えて~
竹内佐知子著 四六判253ページ 定価1524円(税別) 2004年3月発売
夫長野・妻仙台出身 → ネパールで出会い → インドで再会 → 和歌山で新婚生活 → アルゼンチンへ移住
日本から最も遠い国、南米アルゼンチンへ旅と自由を愛する家族が移住した。転勤でも駐在でもなく、現地企業にスカウトされて。大草原とアンデス山脈、牛肉とワイン、タンゴとフォルクローレ、陽気な友人と日系移民…。首都ブエノスアイレスで異邦人が織りなすドタバタな日常を通して描かれるアルゼンチンの風土と気質、旅に暮らす家族の絆。そして、終章で迎える突然の悲劇―。失意の底で夫人に見えてきたものは…。現地の食と音楽、生活文化をふんだんに盛り込んだ南米移住顛末記。
第1章 旅の始まり/第2章 我ら平成移民/第3章 アミーゴと日系人/第4章 アルゼンチンへようこそ/第5章 月の涙と小夜曲
校庭の片隅でバカと叫ぶ ~子どもを追いつめる無責任教育~
片山久志著 B6判231ページ 定価1500円(税別) 2004年9月発売
意外なほど表面化しない教育現場の不合理・無理・矛盾、益よりも害が多い教育手法・制度・慣行。
その犠牲者である子どもたちの内なる叫びや嘆きのサインは親や教師に届かない。
「あとがき」より
本書に記したことに、とりわけ目新しいことはない。肝心なことがわからない学校行事予定表、その日暮らしのスライド時間割、常軌を逸した第二部活、あいまいな絶対評価、無意味な提出ノート、わかりにくい教科書と無責任な採択、表に出ない問題教師、週五日制とは名ばかりの姑息な土曜授業……どれひとつとっても教育関係者や児童・生徒、親なら、つね日ごろ、体験し、見聞し、疑問に思われていることばかりのはずである。
しかし、これまでこの種の問題が表立って論議されることはほとんどなかった。いい加減な絶対評価や不適切な教科書採択を取り上げた書物や報道があっただろうか。学校行事予定表、スライド時間割、提出ノートに対する異議など聞いたこともない。なぜだろう。
皆、今の制度ややり方に満足し、納得しているからだろうか。それとも、私が指摘したようなことはいずれも取るに足らない些細なことだからだろうか。
そんなことはあるまい。
本書に詳しく述べたように、現行の教育手法や制度、慣行の多くは、子どもたちはもちろん、親や当の先生にも、大変な精神的負担と労力をしいている。それで教育の足しになるならまだよいが、益より害の方が目立つ場合が多い。子ども、親、先生の三者から三様に自由と時間、プライド、人としての尊厳を奪い、価値観を狂わせ、無用なストレスを蓄積させるだけの教育手法や制度は、即刻、改めるか廃止すべきである。
●かたやま・ひさし●
1945年、長野県須坂市生まれ。埼玉・長野で小中高生対象の学習教室を通算20余年主宰。「見えない学力を育てる指導」で英才を育てる一方、大勢の子どもたちを成績不振、不登校から脱出させる。現在、家庭教師、各種自然活動インストラクター、日本語教育研究所客員研究員。著書『序説 埼玉の逆襲』(まつやま書房)
第1章 失われる数量感覚と判断力
自分の身長・体重がわからない/つり計算は自動販売機がしてくれる /100の次は?/小学四年は算数の鬼門?/西も東もわからない/数量感覚が身につかないわけ/低下する警戒心と危険予知能力/整理整頓がまったくできない /自分の状況がわかっていない
第2章 時間に追われる子どもたち
眠りたい、休みたい/二つの学力低下論/先生も解けない入試問題 /普通の子の涙ぐましい努力/やり過ぎの部活/金で学力を買う時代/のびる学校滞在時間/子どもが得たもの、失ったもの
第3章 先生の受難と生徒の迷惑
会議や報告書で先生はヘトヘト/非行や授業に戦々恐々/多忙とストレスのあまり/先生の暴言の原点「呼びすて」/問題教師は氷山の一角
第4章 学校の摩訶不思議
スライド時間割でその日ぐらし/指示待ち人間養成プログラム/奇怪な学校行事予定表/差別まがい/教科書は吟味されているか/破綻した学校週五日制/壮大な無駄? 小学校の英語学習/まやかしの絶対評価/無意味な提出ノート
第5章 「生きる力」をはぐくむために
子どもに時間を返そう/子どもへの規制緩和/劣悪な環境の改善を/高品質な授業を/教科書の充実を/市民参加の学校運営/「生きる力」の切り札――総合学習
終章 少年問題と大人の無責任
加害者も被害者/実態を知らない無責任な政治家
子どもの世界
竹前健治著 B6判160ページ 1300円(税別) 2006年9月発売
子どもに学び、喜びを感じられる子育てとは──。
一人ひとりの子どもを育て上げることが大変な時代を迎えています。最近の子育てに対する親の意識は、負担感や重圧感といったマイナスイメージが強くなっていますが、子育てを受け身的な考えからより積極的な考え方に変えるにはどうしたらいいのでしょうか。
そのカギは「子どもの世界」にあります。遊びやファンタジーなどによって子どもは美しさ、無邪気さ、柔らかさ、弱さといったものを体現します。大人はそこから新鮮で独創的な思考を学び、自分自身も喜びを感じたり、鍛えられるのです。「子どもの世界」によって大人が変われば、子どもは伸び伸びと活動し、個性を発揮し自己実現しやすい社会になるでしょう。
竹前健治(たけまえ・けんじ)
昭和18年長野県須坂市生まれ。茨城大学文理学部(心理学専攻)卒業。長野県職員(児童相談所ほか)を経て現職。現在、松本短期大学講師、長野社会福祉専門学校非常勤講師、人権擁護委員。書家・竹前磧齋(日本書道美術院一般部審査員)。著書『子どもの叫びが聞こえますか』(川辺書林
序章 子ども社会と大人社会
第1章 子どもが育つ環境
養育力の低下/親子の関係/子どもの人権/人権思想を高めた先人たち──ルソー、ペスタロッチ、コルチャック、フレーベル/幼児期のしつけと情操/児童虐待の防止/子どもを理解する/愛情と思いやり/人を信じる/ゆとり教育と生きる力/登校を考える/道徳教育
第2章 子ども歳時記
新しい学年/花祭り/子どもの日/花火/お墓参り/運動会/自然の恵みと脅威/年の瀬/初夢/大寒/雛祭り/別れと出会い
第3章 遊びの世界
遊び仲間と空間/祭り/ごっこ遊び/魚釣り/水遊び/雪合戦/遊びの今昔/自然に触れ合う/創造と治癒/音を楽しむ /スポーツに親しむ/ファンタジー
第4章 発達と人格形成
乳児のスキンシップ/言葉の発達/個性の尊重/感情と情緒/自立と反抗/コミュニケーション/動機と好奇心/障害児保育/分けあうこと/礼儀を学ぶ/親友/自己責任/他山の石/性意識/子どもの手伝い/子どもが大人になる時期/習い性となる/絵本を見る/鬼の世界/読書の習慣
第5章 子どもの未来
ノーマライゼーション/急がば回れ/見えないものもあるんだ/命の大切さ/生きる力/天才と努力/自己実現/戦争と平和/世界の子ども
老病死の寺 ~現代仏教にみる看取りの風景~
須田治 著 279頁 1700円 (税別) 2000年6月発行
信濃毎日新聞夕刊連載「仏教NOW」を再構成
心の痛みから介護、エイズ、臓器移植まで。
我々の苦悩に寄り添ってくれるお坊さんがいた!
脱「葬式仏教」の改革派僧侶を全国に訪ね「いのち」の質を問い直す30編。
●内容・構成●
第1章 お寺ルネッサンス
知的障害者が第二本尊 【静岡県富士宮市・弘願寺】
「お骨仏」の寺 【大阪市天王寺区・一心寺】
地域のたまり場「おーぷんてんぷる」 【石川県金沢市・聞善寺】
暮らし、育ち、学び合う場 【大阪市天王寺区・應典院】
ノストラダムスをぶっ飛ばせ 【若手僧侶の集い(應典院)】
血縁から結縁へ 永代供養墓「安穏廟」 【新潟県西蒲原郡巻町・妙光寺】
ミナミ繁華街の坊主バー 【大阪市中央区・坊主バー】
臨機応変、皆の宗 【長野県松本市・神宮寺】
観光寺院のジレンマ 【長野県長野市・善光寺】
第2章「老」を支えて
「おしょうさん」は臨床宗教士 【北九州市・南小倉病院】
「大往生の島」の心おこし 【山口県東和町沖家室島・泊清寺】
老父の痴呆介護日記 【新潟県東頸城郡牧村・明願寺】
ぽっくり寺で生に向き合う 【奈良県生駒郡斑鳩町・清水山吉田寺】
特養ホームで紙芝居法話 【大阪府南河内郡・観念寺】
第3章「病」と心のケア
がん封じの寺 【東京都江戸川区・唐泉寺】
尼僧の看護婦さん 【長野県諏訪市・諏訪中央病院】
仏教と臓器移植 【ビハーラ活動全国集会】
真実を伝え、真実を語り合う 【東京仏教ホスピスの会】
尼僧誕生、そっと傍らに寄り添う 【東京都港区・林いつ子】
第4章「死」への寄り添い
生命倫理に取り組む僧侶 【東京都文京区・佐藤雅彦】
ゆるやかな共同体 【ビハーラ長野】
末期がん患者の苦悩に寄り添う 【新潟県長岡市・長岡西病院緩和ケア病棟ビハーラ】
患者と家族の悲嘆を支える 【長野県小布施町・新生病院ホスピス病棟とビハーラ僧】
「日本人の死に方」論争 【大阪市天王寺区・應典院】
いのちを見つめて、死を語り合うこと 【東京ビハーラと東京仏教ホスピスの会】
第5章 タイ仏教に学ぶ
エイズ・ホスピスの寺 【ロブリー・プラバートナンプ寺】
ブッダに還れ 開発僧の挑戦 【ワットパー・スカトー・坂本秀幸】
自然は仏法なり 【森林寺滞在記】
同胞の心の支えに 【在日タイ人支援プロジェクト】
日本仏教再生への道 【日タイ仏教事情】
補論 現代葬儀考
信州寺参 新曼荼羅
なかむらじん リトグラフ(刷り:梅田版画工房)4版4色/和紙(生漉自然色版画用紙)
37×27cm/2009年3月発売/各エディション50部限定
●額なし 各15,750円(税込/3枚セット価格:42,000円)
●額装 各24,000円(税込/3枚セット価格:60,000円)
※通販は代引きとなります。
深遠なる善光寺の貌を現代的な解釈も交えて描く独創の善光寺アート。今に伝わる伝説や歴史的側面なども織りまぜながら6枚の錦絵をリトグラフで刊行!
●なかむらじん●
美術家。1959年、長野県生まれ。1987年JACA'87日本イラストレーション展入選(伊勢丹美術館)、8th 日本グラフィック展協賛企業賞受賞(渋谷パルコPART3)、1991年長野県文化高揚事業の一環として飯山養護学校にモニュメント「風の鴻」を制作、1994年劇団「風の子」(東京)公演作品「たまごの中から」舞台美術担当、1997年「演劇グループ21」ハンガリー公演(日本文化交流基金対象事業)に美術スタッフとして参加、2000年第1回イルフビエンナーレ童画大賞展入選、2004年小布施町の“境内アート「苗市」in 玄照寺 vol.1”企画・参加(以後毎年)、2006年TRIO DI ARTSTI DELLA MOSTRA D'ARTE CONTEMPORANEA /BOTTEGA 27(イタリア・ルッカ)、2007年個展/巷房(東京・銀座)、「オブセコンテンポラリー」アーティストネットワークによる企画プロデュースを1年間手がける(小布施)、2008年個展/ギャラリーオカベ(東京・銀座)。2007年より樹脂凸版による版画作品シリーズ「平成絵空事百珍」を刊行中。http://nakamurajin.com
大輪の華
Shall we dance?
今日もまた 廊下ではかる バケツ水
雀打ち 狙い定める 街灯の玉
行く末が 案じられると 母嘆き
おいやめろ 民主主義者だ この俺は
チャボの尻 つついて採るや 朝玉子
勝つための 極秘の技や メンコ打ち
俺だけが 音痴直しで 歌わされ
釘刺しは
五寸釘より
畳針
俺は3番 赤バットの 川上哲治だど よし、それなら 俺のドロッカーブを 打ってみろ
「一光三尊」(いっこうさんぞん)
一つの光背の前に中尊と脇侍の菩薩が立つ「一光三尊像」の特徴を持つ秘仏「善光寺如来」。平安時代の歴史書『扶桑略記』によれば、欽明天皇の13年(552年)仏教公伝とともに遠く天竺より百済を経てこの国に伝わった最古の仏像がこの善光寺三尊仏だとか。この説の通りだとすると、法隆寺「釈迦三尊像」(止利仏師)よりもさらに100年ほど古いことになる。
確かに中尊阿弥陀仏の印相は、左手が人差し指と中指のみを下げて伸ばす「刀印」、右手が掌を衆生に開いて差し向ける「施無畏印」という組み合わせで飛鳥・白鳳時代の特徴。法隆寺仏とも合致して、とても珍しいもの。本作中の梵字は脇侍の観音菩薩と至勢菩薩それぞれを表す。
「定額山」(じょうがくざん)
善光寺の山号「定額山」は表参道より境内に入って最初の門「仁王門」にその額面をいただく。参拝者を最初に迎える仁王は“二王”からの変化。正しくは金剛力士像。ことの始まりと終わりを表す阿吽の形相で睨みを効かせる、いわゆるお寺の入口の定番的仏教彫刻の傑作。作者は明治期を代表する木彫家・高村光雲とその弟子の米原雲海。
門をくぐって2体の裏側にそれぞれもう1体ずつ、北に向かって安置されている同作者の彫像に目を止める人は少ない。本堂に向かって右が「三面荒神」、左が「三面大黒」。北側で自然光が入らないので、よほど目を凝らさないとその全体像は把握できないが、それぞれ三面六臂の威容なお姿、こちらもまた秀作まちがいなし。
「花回向」(はなえこう)
古来より7777枚あるといわれる参道の石畳を踏みしめて、たどり着く本堂前で出迎えてくれるのは、大香炉の上で少々恐ろしげな顔で睨みをきかす狛犬。数えで7年に一度とりおこなわれる御開帳の期間中、「回向柱」がこの大香炉の直前に立てられる。回向柱には前立御本尊の右の御手に結ばれた金糸が善の綱として結ばれ、柱に触れる人々に仏の慈悲を伝えてくれる。
この有り難い結縁のシステム、実は7年待たずとも本堂の中に「戒壇巡り」として常時用意されている。御本尊様とつながれた極楽の錠前に触れることで結縁を果たすしくみだが、その回廊は真の闇。出口の光が現世へと誘い、春遅い信州の花が本堂周辺で出迎えてくれることだろう。
「如是転生」(にょぜてんせい)
この山国に伝わる縁起は遠く7000キロ以上も離れた天竺(インド)・毘舎離国から始まる。月のような大きな蓋で信心を閉ざした月蓋長者という大富豪の娘「如是姫」に降りかかる悲劇が事の発端。長者は大林精舎でまだ人として生きていた釈迦を頼り、阿弥陀如来の加護を得て姫と国中の人々が救われる。その後、改心した長者が釈迦・阿弥陀の両者の共同作業で造ってもらったのが秘仏・善光寺如来。
その月蓋長者、仏教世界の大技「輪廻転生」により後に百済の聖明王、そしてさらには善光寺の名の由来となった本田善光となって生まれ変わり、善光寺如来がこの山国に移ってくる。娘の如是姫も仏とともに百済と日本で転生を果たす。
「四門四海」(しもんしかい)
仏教で「四」という数字は重要な意味をもって使われることが多く、四天王などもその一つ。仏教世界の四方(東西南北)に守護神として配置される。その世界の中心にそびえるとされる「須弥山」と、遠く天竺(インド)より仏教が伝わったアジアの最東端の島国というイメージを重ねてみる。
縁起によれば善光寺秘仏の体を成すのは、はるか海中の竜宮より釈迦の十大弟子の一人「目連」が貰い受けたとされる「閻浮檀金」という金属。“エンブダゴン”と発音し、同じく海と縁の深いアトランティス伝説に登場する幻の金属“オリハルコン”を連想させて面白い。龍もまた「阿闍梨池伝説」や「飛柱記」などに登場する善光寺に縁ある霊獣として伝説の中にたびたび登場し、善光寺不思議ワールドを牽引するキャラクターとして申し分なし。
「応化利生」(おうげりしょう)
「昔、信濃の国、小県の里に心が貧しい老婆がいました。ある日、軒下に布を干していると、どこからか牛が一頭やってきて、その角に布を引っかけて走り出しました」──有名な説話「牛に引かれて善光寺参り」の一節。その後、老婆は牛が観音菩薩の化身であることに気付き、我欲を捨てて信仰の道に入り、やがて極楽往生を遂げる。
応化利生──仏や菩薩が衆生を救うために姿を変えて出現し、利益を与えること。となれば草木、虫魚、動物に至るまで、我々は絶えず救いの芽に囲まれて生きていると言えそうだ。
中高年のための若返り運動 脳活フィットネス
三浦弘/寺沢宏次著 A5判101P 1000円(税別) 2007年3月6日発行
運動とコミュニケーションで脳の活性化を!
生活習慣病や介護(認知症)の予防に効果大!
意思や感情の他に運動や感覚をつかさどる脳(前頭葉)は、近年その機能が各方面から注目されていますが、本書は運動とコミュニケーションによって脳の活性化を図り、同時に基礎体力の向上、生活習慣病や介護(認知症)の予防につなげることを目的としています。
脳刺激運動5例、バランストレーニング5例、ストレッチング9例、有酸素運動3例、筋力トレーニング13例、ゲーム&コミュニケーション5例を運動場面の分割写真を添えて解説。職場でも家庭でも椅子に座ったままできる運動が主体で、機具も不要。手軽な運動プログラムによって中高年のフィットネス(最適な心身の状態)が実現します。
1. 実践編(三浦弘)
●脳刺激運動
一人ジャンケン 脳と体の準備体操
指折り数え 脳と体の準備体操
うえ・した・よこ・まえ 脳刺激&肩周囲のトレーニング
トントン・スリスリ 脳刺激&四十肩・五十肩の予防改善
2拍子&3拍子 脳刺激&肩周囲のトレーニング
●バランストレーニング
片足バランス バランス感覚と足腰の強化
バレリーナ バランス感覚と足腰の強化
コマ送りウォーキング バランス感覚と足腰の強化
ダイアゴナル バランス感覚と体幹(コア)の強化
ファンクショナル・リーチ バランス感覚と腰部の強化
●ストレッチング
ももの後ろ側のストレッチング 姿勢を正しく保つ
お尻(下側)のストレッチング 腰・脚が重い時の疲労回復に
腰背部(下側)のストレッチング 腰が重い時の疲労回復に
腸腰筋のストレッチング 長時間のデスクワークや運転の合間に
肩周りのリンバリング 肩の周囲全体をゆったりとほぐす
肩と首周りのストレッチング 肩こりをほぐし頭をスッキリ
胸と首周りのストレッチング 背筋を伸ばし首周りをほぐす
脊柱のリンバリング 背中全体をリフレッシュ
体側のストレッチング 腰から背中のリフレッシュ
●有酸素運動
まえ・よこ・まえ? 有酸素&脳刺激
お尻歩き 腰周りのたるみの解消
ウォーキング(やさしいエアロビクス) 有酸素&エアロビクス
●筋力トレーニング
腸腰筋群のトレーニング(1) 歩行時の転倒予防
腸腰筋群のトレーニング(2) 歩行時の転倒予防
足底筋群のトレーニング 歩行時の転倒予防
握力のトレーニング 指先の動作を巧みにして脳も刺激
腹筋のトレーニング 腰痛の予防
脇腹のトレーニング 脇腹のたるみの解消
スクワット 階段等の上り下りが楽に
腰のトレーニング 腰痛の予防や腰周りのリフレッシュに
太ももの表、付け根のトレーニング 膝周りの筋肉の強化
太もも表裏のトレーニング 膝周りの筋肉の強化
股関節(小殿筋、中殿筋)のトレーニング 股関節痛の予防
股関節(内もも、内転筋群)のトレーニング 内ももを引き締める補助トレーニング
脛のトレーニング 段差でのつまずき予防
●簡易ヨーガ
呼吸法 心身の浄化&自律神経の調整
腰掛けのポーズ 脚・ももの引き締め
立ち木のポーズ 背骨のゆがみ矯正&腰痛の解消
サギのポーズ 体のゆがみの解消
●ゲーム&コミュニケーション
スカーフお手玉 敏捷性の向上&肩周囲のトレーニング
紙コップでよーいドン! 指先の敏捷性&記憶力の訓練
みかんちゃん 集中力・判断力・抑制力の訓練
お名前キャッチボール 集中力・記憶力の訓練
有名人は忙しい 集中力・判断力の訓練
●脳活性プログラム
60分の脳活性プログラム
◆コラム
大人の脳細胞は成長できる?/座って脳活/ストレッチングや筋トレの前に/筋肉群と骨格の基礎知識
2.解説編(寺沢宏次)
高齢社会と健康寿命/メタボリック・シンドロームと体格指標BMI/1kgの減量は大変?/三大栄養素と7つの習慣/ 一日300kcalの運動と6つの体力測定/65~79歳対象の新体力テスト/週60分の運動でも効果/健康と幸せ/運動とコミュニケーション/運動が脳の機能を維持する/好きなことをやれば脳は活性化する/癒しとコミュニケーション/運動の継続とコミュニケーション